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W不倫の慰謝料について
W不倫とは、既婚者同士の不倫のことですが、慰謝料の請求について一般的な浮気・不倫と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。
今回は、W不倫での慰謝料の相場や請求方法、一般的な不倫との違い、慰謝料を請求することで逆に損をしてしまう可能性などについてお伝えします。
W不倫での慰謝料の相場
まず、一般的な不倫での慰謝料の相場は約50〜300万円となっています。一方、W不倫での慰謝料の相場は約50〜200万円となっています。
どちらにも共通して言えることですが、浮気・不倫が原因で離婚をするのか?それとも夫婦関係を継続するのか?などによって、慰謝料の金額は異なります。
それぞれの慰謝料の相場を以下の表にまとめました。
夫婦関係を継続する場合 | 不貞行為が原因で離婚・別居する場合 | |
「一般的な不倫」の慰謝料相場 | 約50〜100万円 | 約100〜300万円 |
「W不倫」の慰謝料相場 | 約50〜100万円 | 約200万円 |
慰謝料の金額は、夫婦関係の継続 or 離婚の他にも「子どもの有無」「請求される人の年齢や資産」など、様々な条件を総合的に判断して決定されます。
慰謝料増減の条件については、浮気の慰謝料と相場のポイントをまとめた記事で詳しく紹介しているので、気になる方は是非参考にしてください。

W不倫での慰謝料の3つの請求方法
慰謝料の請求方法は主に、以下の3つの方法があります。
- 夫婦で話し合う
- 慰謝料請求に関する内容証明郵便を送付する
- 裁判を起こす
夫婦で話し合う
慰謝料を請求する場合、まずは夫婦で話し合い、慰謝料を請求したい旨を伝えましょう。
話し合いをする際には、口頭ではなく書面に残す、メール等で履歴を残す、第三者にも参加してもらうなど、証拠が残るように工夫をすることで、後から「言った・言わない」の問題を避けることができます。
慰謝料請求に関する内容証明郵便を送付する
相手と顔を合わせて話し合うことが難しい場合は、慰謝料請求に関する内容証明郵便を送付する方法もあります。
内容証明郵便とは、郵便局が内容を証明してくれる書類で、裁判を起こす場合に証拠として認められます。ただし、内容証明郵便を提出できる郵便局は限られているので、事前に対応しているか?をしっかりと確認しましょう。
また、内容証明郵便を利用する場合は、以下の規定を守る必要があるので注意が必要です。
▼内容証明郵便利用の際の規定
- 横書きの場合は1行20字以内で1枚26行以内、1行13字以内で1枚40行以内、1行26字以内で1枚20行以内
- 縦書きの場合は1行20字以内で1枚26行以内
参考:郵便局公式サイト
送付する資料には、以下の項目も記載するようにしましょう。
▼慰謝料請求に関しての内容証明郵便に記載するべき内容
- 書類作成日
- 差出人・受取人の住所と氏名
- 不貞行為を認知している事実
- 民法における不法行為に該当するということ
- 請求金額
- 振込口座番号
- 振込期日
- 振り込まれなかった場合の対処法(裁判を起こすなど)
話し合いや内容証明郵便の送付等で、お互いが慰謝料の金額に合意し、支払いまで至った場合は、無駄な費用を掛けることなく済ませられますが、それらに応じてくれない場合や合意に至らない場合は裁判になります。
裁判を起こす
話し合いや内容証明郵便の送付で合意を得られず、任意での慰謝料支払いに至らない場合は、最終的に裁判を起こして、慰謝料を請求することになります。
裁判は個人で起こすことも可能ですが、プロの弁護士に依頼すると様々なメリットがあります。
▼裁判を起こす際に弁護士に依頼するメリット
- 裁判に関する資料作成の手間を省ける(証言を裏付ける資料や不法行為をされたと証明する資料など、個人では難しいものもあります)
- 長期間に及ぶ裁判でも安心して任せられる
- より多くの慰謝料を請求できる可能性が高まる
裁判で慰謝料をできるだけ多く請求するポイントは、不貞行為の証拠やこちら側が有利になるような証拠を掴むことです。
証拠を集める際に、弁護士と連携している探偵事務所を選べば、浮気・不倫調査から裁判までスムーズに移行することができます。
探偵事務所を選ぶ際の比較ポイントについては以下の記事で紹介しています。

W不倫での慰謝料請求と一般的な不倫での慰謝料請求の違い
W不倫と一般的な不倫での最も大きな違いは被害者の人数です。
一般的な不倫の場合は、被害者は浮気をされた妻もしくは夫1人だけなので、不倫をしていた夫もしくは妻と不倫相手に慰謝料を請求します。離婚を選択しない場合でも不倫相手に対して慰謝料を請求できるため、金銭的にもメリットがあります。
しかし、W不倫の場合は不貞行為をした当事者がどちらも既婚者なので、被害者が2人になります。
不倫相手に対して慰謝料を請求することはできますが、こちら側の夫もしくは妻も慰謝料を請求される側になるので、夫婦で家計を一つにしている場合や離婚を選択しない場合は、金銭的デメリットが出てしまう可能性があります。
以下、金銭的に損をしてしまう可能性の条件を紹介します。
W不倫の慰謝料請求で損をする可能性は?
W不倫での慰謝料請求で、こちら側が損をする可能性は以下の通りです。
- こちら側の夫もしくは妻が不倫を主導していた証拠がある
- 不貞行為が発覚する前から夫婦関係が悪化していた
- 相手夫婦の方が婚姻期間が長い
- こちら側は離婚をしないが、相手夫婦は離婚をした
慰謝料の金額は「浮気などの不貞行為をされる前の夫婦関係」や「婚姻期間」などによっても増減します。
不貞行為をされる前の夫婦関係が良好なほど、または婚姻期間が長いほど、高額な慰謝料を請求できるので、相手夫婦と比較して、こちら側が不利な条件の場合は、金銭的に損をしてしまう可能性があります。
金銭的に損をしないためにも、弁護士へ相談するなどの対策が必要です。
▼関連記事:不倫相手にも慰謝料を請求するには?

まとめ
- W不倫の慰謝料の相場は、夫婦関係を継続する場合は約50〜100万円、離婚する場合は約200万円
- 慰謝料の金額は様々な条件を総合的に判断して確定される
- W不倫での慰謝料請求方法は「夫婦で話し合う」「内容証明郵便を送付する」「裁判を起こす」
- W不倫での慰謝料を裁判で請求する場合は、弁護士に依頼する方が安心
- 弁護士と連携している探偵事務所に依頼すれば、浮気・不倫の調査〜裁判までスムーズ
- 慰謝料の請求に関して一般的な不倫と異なるポイントは「被害者の人数」
- W不倫での慰謝料請求は、条件によって損をしてしまう可能性がある